甘々王子に懐かれた!?
「だから、あんまりはっきり付き合ってるって言えないなぁって」
律儀で、可愛くて、素直で、でも、男らしい逞しい腕の筋肉。
多分、腹筋は割れているんだろう。
「うーん、そうだね。陽夏くんはその子のこと好きなの?」
「嫌いじゃないですけど……、どうなんだろう。ドキッとすることはあるけど……」
「気持ちが曖昧なままじゃ、ずっと続くよ。彼女の一方通行が。きっと、彼女もものすごく鈍感な子じゃない限り、自分には全く気がないんだなって気づくよ。
無理して付き合ってくれてたんだなって、彼女は傷つく。
無理して付き合うことが優しさの一つだという人もいるけど、俺は違うと思う。
結果、それが彼女を傷つける」
だから、と俺は続けた。
「気持ちはちゃんとハッキリさせなくちゃ。別に彼女が彼女じゃなくてもいい人なら、別れてあげないと。
もしかしたら、怒るかもしれないし、泣くかもしれないけれど、彼女もあとあとあの時に別れてて良かったと思うよ」
俺、ちょっと上からすぎた……?
「お、俺の持論だから、あんまり信用しない方がいいけどさっ。参考ほどにー……、って、上からすぎたね、ごめんね」
「いや、そんなことないです!こういう現実的なアドバイスを待ってたんです!ありがとうございます!」
陽夏くんは幼い子のように目を輝かせ、嬉しそうに笑った。
良かった……。気分を害すること言ってたらどうしようかと思った。
「やっぱり、モテる人からのアドバイスは違いますね」
「そんなことないよ。きっと、俺よりモテる人はいるし、上手く相談に乗れる人もいるよ」