甘々王子に懐かれた!?
「あの、何して遊びます?ゲームとかありますけど……」
と、陽夏くんは小さめのテレビを指した。
テレビ台の棚には、ゲーム機が置いてあった。
俺は大きく頷いた。
「やろうやろう!」
――――――
【陽夏side】
「ありがとう、陽夏くん、優茉ちゃん」
心から幸せそうに、ニコニコと笑う慎助さん。
「いえいえ、また遊びましょ」
「私は何もしてませんけどね。まぁ、また来てもいいですよ」
隣では無表情で冷たく言い放つ姉ちゃん。
姉ちゃんのほうが後輩のはずなんだか、上からだ。
姉ちゃんがこんなだとは思わなかった。
「じゃあ、明日にでも来ようかなぁ」
口調は全く変わってないし、笑顔も変わらず素敵なんだけど、姉ちゃんと話す時の慎助さんの雰囲気は俺の時とはまた別で、あたたかさがよりあたたかくなったような……そんな感じがする。
「来ても追い出しますので」
「冷たいなぁ、そんなところも好きだけど。……じゃあ、俺は帰るね。今日はありがとう」
大きく手を振って帰る姿は、四、五歳くらいの男の子に見えるほど、幼く見えた。