甘々王子に懐かれた!?
「あー、もう、優茉なにもしてないのに」
ぶーたれながら私の隣を歩く幸。
このイジメに気づいている人は少なく、幸いにも他のクラスメイトとも普通に話すことが出来る。
そこには感謝してるけど……、なんか、かげでやりすぎだし、地味なことばっかりでそろそろ思い切りやってくれないかなとも思う。
そうしたら、私が怒りをぶちまけても、第三者の人間たちの一人でもこちらについてくれるかもしれないし。
私も考えてること、最悪かな。
「優茉?」
中々喋らない私を不思議に思ったのか、幸がキョトンとした顔で聞いてきた。
それに私はすぐに消えてしまいそうなくらいの小さな笑みを浮かべた。
「ちょっと考え事」
「そう。具合が悪いなら、ちゃんと言うんのよ?」
それに対して、私は微風でも吹けば消えてしまいそうなくらいの小さな笑みを浮かべた。
幸はそう言うけれど、言わずともいつも気づいてくれていた。
それに大丈夫と答えても、幸の目は絶対らしくて、強制的に保健室。
そんなことがこれまでに何度かあった。
「ゆーきー?」
「はーい?」
私は心の底から湧き出る嬉しさを、笑みにかえて。
「だーいすきっ!」
幸に言ってみせた。