甘々王子に懐かれた!?
私、そんな強くないよ?
病原菌が侵入してきたら、されるがままになるよ。
「……優茉、ありがとね」
急に空気が変わったなぁと思えば、太陽のようなあたたかで和やかな笑みを私に向けた幸がいた。
「やっぱりさ、言葉にしてもらえると嬉しいね」
「でしょ?」
私は自慢げに鼻を高くする。
〝大好き〟という言葉を生み出したのは私じゃないけど、〝大好き〟の言葉を使ったのは私。
「うん。……あっ!机が端に置いてある!」
「ほんと、なんなんだろ……」
やる意味がわからない。
机の向きを変えるとか、なにがしたいんだっての。
教室にいるクラスメイトは、それをしたのは私だと思っているらしく、以前、向きが変わっていた時
『赤坂さん、面白いね』
と、クスクス笑われた。
「わけがわからない。わけがわからないからさらに腹立つ」
和やかな雰囲気は一転、また炎が燃え盛っている。
「幸ー、落ち着いて。顔怖いよ、可愛い顔が台無し」
「台無しになってもいいから……、あいつらぶっ潰したい」
「落ち着いて!?」