甘々王子に懐かれた!?
幸を窘めてから、教室に入る。
先に来ていたクラスメイトの数名が笑顔だったり、無表情だったり、色々な顔をしながら挨拶をしてくれた。
自分の机の向きを揃え、整えると、御井島さんが話しかけてきた。
彼女は極度の人見知りらしく、自分から話しかけに行くのは滅多にないと言っていた。
そんな彼女が、私に……。
「おっ、おはよう、赤坂さんっ」
顔を真っ赤に染めながら言ってくるもんだから、私は思わず笑ってしまった。
「えっ、赤坂……さん?」
「いやいや、あまりにも緊張してるもんだから可愛くて。ごめんね」
〝可愛い〟という単語を御井島さんに向けて出すと、首を全力で横にふられた。
そんなことないと思うけどなぁ。
「ところで、どうしたの?」
「えっと、あの……こういうことが絶えず続いてるから、大丈夫かなって。クラスメイトで気づいてる人少ないし、それを利用してひどいことされてないかなって」
御井島さんは、この机があいつらのものであると確信してるんだ。
委員長ってば、よく見てる。