甘々王子に懐かれた!?
「御井島さんが心配するほどのことじゃないよ。こういうことくらいしかされてないから。諦めてくれないか待ってるの」
そういうと、御井島さんはホッとため息を吐いた。
その時の頬を緩めて顔が可愛くて、可愛いと呟いてしまった。
御井島さんは何か言った?と言わんばかりに、へ、と声を出しながら首を傾けたが、私はニコニコしてるだけ。
「私のこと、呼び捨てでいいよ?赤坂さんじゃなくて、優茉」
「いっ、いいんですか?」
「もちろん。私も、文香(フミカ)って呼んでもいい?」
御井島 文香(ミイジマ フミカ)。それが彼女のフルネームだ。
「ぜひぜひっ。じゃあ、ゆ、優茉って呼ばしてもらうねっ」
そう言ってはにかむものだから、私の心はやられた。
「なにー?仲良さげに話しちゃって。私は?」
私の肩に手を回しながら、幸がやって来た。
文香はビックリしながらも、小さく会釈した。
え、同い年だよね!?会釈って……、幸はどこかのお偉いさんか何か?
幸もそう思ったのか、やめてよー、とケラケラ笑った。