甘々王子に懐かれた!?
――――――
その次の日。
私が学校の門をくぐり、その先にある昇降口へ……と、ただならぬオーラを発している人が一人。
スタイル抜群なお方が仁王立ちされている。
正直に言うと、これ、かなり怖い。
周りにいる生徒も何事かと顔を顰(しか)めているし。
「お、おはよう、幸。とっても怒っているようだけど、大丈夫?」
「おはよ。大丈夫だと思う?」
いいえ、全く思いません。
怖いです、怖いですよ、幸さん。
長年一緒にいる私がこんなにもビビってるんだから、ほかの人なんかもっと怖いと思ってるんだろうなあ。
「あいつら、ただじゃおかねぇ……」
昨日はまだ赤い炎が燃え盛っていたから良かったけれど、今日は青だ。青色の炎だ。
「幸さぁん、口調が変わっておりますけど……」
「そんなの別にどうだっていい。なんで昨日、私を止めたかな?」
そう、昨日、悪口を言われたあと――――
『私、あいつらに溜まっているもの全部ぶちまけてきていい?』
お昼ご飯を食べている最中、ブツッとウインナーに橋をさす音が聞こえたと思えば、幸が怒っていた。
『だーめ。幸は安全な学校生活を過ごしてください』