甘々王子に懐かれた!?


急いで上靴を履き、先に突っ走って言った幸のあとを追う。


通りすがるクラスメイトにはすごい驚かれるほど、変な顔をしているらしい。


でも、今はそんなことどうでもいい。


教室で何が起きてるの……!?




「どう!?」




「な、なにもない……」




幸はビックリしすぎて声が小さくなっている。


私も確認したが、本当に何も無い。


机の位置も、向きも、昨日私が見たときのまま。


おかしい。いきなりすぎる。どうして……?




「あっ、あれか、押してダメなら引いてみろのイジメバージョン?」




こうやって私からなにかを起こすのを待ってるということですか?


そういうことですか?




「なるほど。それかもしれない」




明日とか明後日とか……、放っておいたらまた始まるかな?


そう軽く考えていたんだ。


誰かが、私のために頑張ってくれていたなんて、一つも知らずに――――。




――――――





「今日もないよ!幸!」




「じゃあ、明日かな?」




――――――




「今日もなーい!」




「じゃあ、明日……?」




その次の日も――




――――――




「ないよ……?」




「またぁ!?」




――――――
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