甘々王子に懐かれた!?
『優茉ちゃーん?生きてるー?』
「切ってもいいですかね」
頭が追いつかないんですけど。
なんで知ってるんですか。
私、教えたっけ?……いや、ないね。勝手にスマホ見られてたり?
でも、先輩の前でスマホ出したことないから、分からないはず。
『まって、切らないでね!?』
「なんで、知ってるんですか」
『教えるけど、攻めないであげてね?……陽夏くんに教えてもらったんだ。最近、電話番号聞かれたりしなかった?』
陽夏かよ!!
思い出せ思い出せ。……昨日、聞かれたような。
そうだ、昨日聞かれたんだ。姉ちゃんのスマホの電話番号教えてって。
なんで?って聞いたら、はぐらかされて……、それで次の話にいっちゃったからすっかり忘れてた。
「聞かれましたね。ご用件はなんですか?短く、お願いますね。今、テレビいいところなので」
『俺よりテレビの方が大事なの!?』
「切らせていただきますよ?」
ふざけた先輩にのらず、私は表情一つ変えずに言った。
だって、今、女の子が好きな男の子に告白してるところなんだから!気になるんだよ、結果が!
『わーっ、まってまって。あの、今週の土曜日空いてる?』
「土曜日ですか?まぁ、なにもないですけど」
『ほんとに!?あのね、親から遊園地のチケットもらったんだ。最近出来たでっかいところの。一緒に行かない?』
最近出来た大きな遊園地。
中でも、ジェットコースターが凄いのだとコマーシャルで言っていた。
ジェットコースター好きの私にとっては、そりゃあ気になるところで……。
相手が先輩なのはあれだけど、遊園地行きたいし。