甘々王子に懐かれた!?
「先輩と行くというのは大変不本意ですが、遊園地は行きたいので、行かせていただきます。いいんですか?」
『やったー!うん、優茉ちゃんと行きたかったからさ。時間とか、もうこれで話す?』
「これで話さなかったら、何で話すんですか?」
うーん、と悩む声が聞こえてきた。
『また電話で話すか、優茉ちゃんが良ければ、※LinLinとか?』
(※LinLin トークアプリのこと)
「じゃあ、また電話で」
ガードかたいなぁ、と先輩は言った。
きっと困った顔をしてるんだろうなぁ。
『分かった。こっちからまたかけるね』
「了解です。では」
私から電話を切るのは苦手で、相手が切るのを待つ。
『あっ、えっと、またね』
それは先輩もだったようで、中々電話はきれなかった。
またね、のあと、十秒ほどあいてからぷつりと切れた。
遊園地行けるんだ。
どんな格好していこうかな。やっぱり、ズボンだよね。
上はTシャツ?なんかおしゃれなヤツないかな……。
って、私恋する乙女みたいなこと言ってるんじゃないよ!
先輩となんだから、なんでもいいでしょ。
ブンブンと頭を振って、悪い虫を取り払った。