甘々王子に懐かれた!?


――――――




「ゆうまちゃーん!ここで会うなんて、奇跡だね!」




シャララ~ンという、効果音が聞こえてきそうなくらい眩しい笑顔の持ち主が目の前に来た。


うん、鬱陶しい。




「校内をうろつくことだって普通にあるんですから、会うでしょう」




先生にノートを持ってこいと頼まれ、職員室に行き、教室に戻ろうとしたらこの先輩にあった。


先輩は、次が移動教室なようで、手には教科書と筆箱を持っていた。




「冷たいなぁ、優茉ちゃんは。俺はいつだって一途なのに」




何がダメなんだ、俺の、と勝手に嘆く先輩。


そういうところが残念ポイントなこと、気づいてないのかな。




「それでは」




この人と一緒にいると、すぐに疲れがたまるんだよね。


だから、ササッと私が話を切り上げないといけない。




「待って、優茉ちゃん。明日も、一緒に学校行かない?」




「……先輩の好きにしてください」




どうせ、私が断ったってあなたは来るんでしょう。


断ったら、どうしてだと話が長引きそうだから、私は背を向けたまま、そう告げた。




――――――
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