甘々王子に懐かれた!?


――――――




「うわああ……っ」




「でっかいなあ……」




駅から一時間とちょっと。


お目当ての遊園地に着いた。


ここの遊園地の最寄りの駅からは、ほんの少し歩くだけで着くという素晴らしい場所。


駅からは既にジェットコースターのてっぺんが見え隠れしていて、ドキドキしながら歩いてきた。




「早く入ろ入ろ!」




十七歳のいい歳した高校生が、先にいる五歳児くらいの男の子と同じようなことをしているとはどういうことだ。


私の腕を掴んで、早く早くとせがんでいる。


なんか、先輩が五歳児に見えてきたんだけど。




「そうですね。早く行きましょう」




先輩はパァァッと顔を輝かして、カバンからチケットを取り出した。


その内の一枚を差し出してきて、私はそれを受け取った。


受け取るのを確認すると、小走りで入場ゲートのところまで行った。




「あっ」




入場ゲートのところに並んで、はたと気づく。


私、チケット代払ってないじゃん!


どんな非常識なことしてんだコラ。


というか、私、チケット代払う素振りもしてないんだよね?


やばくない?私、とんだ非常識人じゃない?ほんと何してんの?


お姉さんのチケット出してくださいの声に、ハッとして差し出し、手首になにか巻かれる。


そんなことに気がいかない程に、私は焦っていた。




「先輩!」




「どうしたの?」
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