甘々王子に懐かれた!?
「チケット代、いくらするんでしょう?」
ここに来てこの質問にビックリしたのか、え、と口を開けて固まっている。
わああ、ごめんなさい、先輩。
普通は前日までに払うものですよね……!
「チケット代とか、いらないよ?俺だって払ってないしさ」
「いやいや!払わせてください」
先輩は払ってないかも知れませんけど、私は払わなくちゃいけませんよ。
「本当に払わなくていいよ」
「でも……」
「その代わり」
その代わり?
中々食い下がらない私に、先輩は人差し指を立てた。
一つ、提案があるということかな?
「思いっきり楽しむこと。これでいいんだよ」
先輩、そんなこと、私楽々やっちゃいますよ。
だってもう既に楽しいですもん。
そんな簡単なこととチケット代はイコールでいいんですか……?
「まだ食い下がらないの?俺はね、優茉ちゃんに楽しんでほしいだけ」
「……ありがとうございます。じゃあ、たーっくさん楽しませてもらいますね」
先輩は花が咲いたように笑った。
なんだろう、この、先輩の周りのキラキラしたオーラは……。
私もそんなの纏いたい。
世の中、美男美女は有利なこった。