甘々王子に懐かれた!?


「さっ、これで話は終わりね。なに乗る?」




周りを見渡すと、メリーゴーランドや幼児用のジェットコースター、空中ブランコなど、楽しそうなものが色々ある。




「あれ、楽しそうですね」




一つのものを指すと、先輩も大きく頷いた。


その表紙に舌を噛んだようで、痛っと顔を歪ませた。




「俺もそれ気になってた!行こう行こう!時間がもったいない」




や、やべぇ、先輩ガチすぎる。


でも、お話で時間をあっという間に感じるよりかは、こうやって乗って乗ってあっという間に感じる方が私も好きで、先輩のあとを追いかけた。


私たちが乗りたいと思ったのは、空中ブランコ。


結構列ができていて、時間がかかりそう。




「優茉ちゃん優茉ちゃん」




「なんですか?」




「俺のこと、名前で呼んでよ」




超急じゃないですか!


なんでまぁいきなり!?




「前のカップルがさ、名前で呼んでるの聞いて、俺もしてほしくなった」




周りの影響か……!


私は、呼んであげようかと思ったけれど、やっぱり先輩の名前を呼ぶのは気が引ける。


なんで私って、先輩の名前呼ばないんだっけ。


……ストーカー紛いの行為をしたから?


ターゲットって言われて嫌だったんだっけ?
< 64 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop