甘々王子に懐かれた!?
「さっ、これで話は終わりね。なに乗る?」
周りを見渡すと、メリーゴーランドや幼児用のジェットコースター、空中ブランコなど、楽しそうなものが色々ある。
「あれ、楽しそうですね」
一つのものを指すと、先輩も大きく頷いた。
その表紙に舌を噛んだようで、痛っと顔を歪ませた。
「俺もそれ気になってた!行こう行こう!時間がもったいない」
や、やべぇ、先輩ガチすぎる。
でも、お話で時間をあっという間に感じるよりかは、こうやって乗って乗ってあっという間に感じる方が私も好きで、先輩のあとを追いかけた。
私たちが乗りたいと思ったのは、空中ブランコ。
結構列ができていて、時間がかかりそう。
「優茉ちゃん優茉ちゃん」
「なんですか?」
「俺のこと、名前で呼んでよ」
超急じゃないですか!
なんでまぁいきなり!?
「前のカップルがさ、名前で呼んでるの聞いて、俺もしてほしくなった」
周りの影響か……!
私は、呼んであげようかと思ったけれど、やっぱり先輩の名前を呼ぶのは気が引ける。
なんで私って、先輩の名前呼ばないんだっけ。
……ストーカー紛いの行為をしたから?
ターゲットって言われて嫌だったんだっけ?