甘々王子に懐かれた!?
ああ、またあいつか……。
がっくりと肩を落として、帰ろうとするとまだ本題に入ってないと嘆く先輩を置いて帰るわけにも行かず、仕方なく戻った。
「なんですか。変なことだったらぶっとましますよ?」
「大丈夫」
先輩の大丈夫って、全然大丈夫じゃないんだよなぁ……。
「誕生日プレゼントなんだけどね?俺の等身大パネルでもプレゼントしようと思ってるんだけどどうかな?」
ほらぁ、きた!
これのどこが変じゃないと言えるのだ。
等身大パネルをプレゼント、しかも自分の。
発想が斜め上すぎてついていけない。
「邪魔です。迷惑です」
ただでさえ、今も部屋の大きさと物の量があっていないというのに、そんな大きなものを置かれたら歩くスペースがない。
「えー、どうしても?優茉ちゃんのためなら、最高クオリティーでプレゼントするよ?」
そんなに等身大パネルが作りたいの!?
この話、誰かほかの女子が聞いていたら絶対欲しがるだろうなぁ。
ウン万円払ってでも、全力で争奪戦行いそう。
「んー、そこまで言うなら、考え直すね」
全力で嫌ですオーラを出すと、すんなり折れてくれた。
というか、プレゼント何かいらないのに。
私、先輩の誕生日知らないし……。
「あっ、もうすぐチャイムなる!じゃあね!」
嵐みたいだなおい。
ま、またいつか聞けばいいかな。