甘々王子に懐かれた!?
なんか口調変わってるし!
すると、幸が急に「あ」と声を上げた。
「優茉、廊下行っといで」
さっきまでのニヨニヨ顔はおさらばしていて、幸は私にそんなことを言ってきた。
不思議に思って、中々席を立たない私を幸は強制的に立たす。
私は間抜けな声を出しながら、幸にやられるがままになってると、ドンッと背中を押されて行ってこいと言われた。
「もうっ、なんで廊下に……」
「優茉ちゃんっ、おはよう!」
あぁ……、この声は、あの人しかいないじゃないか。
スローモーションになったのかと思うほどゆっくり振り向くと、そこにはニンマリと嬉しそうに笑っている先輩。
なんでそんな嬉しそうなの!?何か知らないけどその喜びを抑えて!
「おはようございます、先輩」
でも挨拶は忘れない。
それがマナーってものでしょ?
「朝から優茉ちゃんに会えるなんて、嬉しいなぁ」
「そっちから会いに来たんですけど」
先輩の思考はどうなってるんだ、一体。
「まぁまぁ。あのさ、今日の放課後、一緒に帰ろ?」