甘々王子に懐かれた!?
「神崎 芹香って奴は、先輩なんだけど、殆どのやつが嫌ってたよ。俺も、慎助もだいぶ嫌ってる。あいつら一回付き合ってるけど、何回も慎助から愚痴聞いてた。容姿はいいんだけど、性格が最悪でね……、何度も慎助はやられてた。……慎助の取り巻きの子も」
セリカさん、そんな悪い人なの?
どういうこと?頭がついていかない。
セリカさんは悪い人で、先輩は何度もやられていたと。
「神崎は、束縛が激しいやつで、慎助を縛り続けてた。それに限界を感じてたあいつは、別れを切り出したよ。元々、あいつは神崎を顔で選んでたからね。でも、神崎は全然別れようとしなくて、泣いて泣いて……。やっと別れられたのに、なんで今……。俺には分からない。でも、たしかに分かるのは神崎はまた慎助を取るつもりだ」
セリカさんが先輩を苦しめていたのか。
そうして、そのセリカさんがまた来たんだ、先輩のそばに。
今どんな気持ちで、先輩はセリカさんの隣に立っているのかな。
先輩……。
「俺は……、またあいつの愚痴聞くの面倒うだしさ、強制的に付き合ったとか御免なんだよね」
この瀬戸川先輩の言葉は、精一杯の先輩に対する心配と優しさ。
先輩、友達にこんなにも思われてるんですよ。
きっと、先輩が友達思いだからですね。
「だから……悪いんだけど、救い出してくれないかな。俺は、ボケを拾う役だけでいっぱいだから」
「分かりました。どこに行ったかとか分かりませんよね……」
「ごめん、分からないなぁ。でも、きっと高級なレストランが並ぶところかな……。神崎は慎助の誕生日を祝うつもりだから」
「了解です。いろいろ覗いてみます」
高級レストラン。
どこだよそこ!!先輩、なにか連絡してくれたらいいのに!!連絡先渡してないし持ってもないけど!
多すぎるよー……。