甘々王子に懐かれた!?
その気持ちが私を押してくれる。
学校に出て、早速の曲がり角。
先輩はどこだ。先輩は……!
頭に先輩を思い浮かべながら考える。
……前だ!
私は決して体力があるほうじゃない。むしろ無い。無に等しいくらいだ。
それでも、先輩の気持ちがかたむく前に。
急げ、自分の足。
右左右左、左右左右、足と腕を順序よく出して走る。
くぅ、運動部に入っていればもう少し早く行けたかもしれないのに!
初めて後悔したよ!運動部に入っていれば良かったなんて。
「う、うわぁ……、どこだよ先輩!」
大通りに出て、早速つっこむ。
高級レストランだぁ?ふざけるんじゃないよ。本当にどこだよ。
ごめん、ごめんだけど、先輩。
私の怒りはそこに向いてる。
「……っ先輩の、バカー!!」