甘々王子に懐かれた!?
今日が終われば芹香とは離れられるはず。
そう思って席を立たなかった。
――――――
「で、話って何?」
出てきたステーキ、ご飯、パフェを食べ終え、芹香に単刀直入に聞いた。
食べている間に聞こうとしたのだが、今は食べることに集中と言われて、聞くのが今になってしまった。
時刻は八時。
これじゃ、優茉ちゃんに会うことできないな。
家に行くのもありだけど、こんな俺が行ってもいいのか……。
「そのまま聞いてくるね。……ねぇ、はっくん。私とより戻そうよ」
薄々そんな感じだろうと予想はしていたが、本当に言われると呆れてしまう。
別れる原因を作ったのは芹香。
その芹香から言ってくるとは。
「嫌だね。芹香ともう一度なんて考えられない」
普段はこんなきついこと言ったりしないけど、芹香にはこれぐらい言わないと効かないということは、一度付き合ったことのある俺はよくよく理解した。
「そんなに?ねぇ、私、あの時みたいにガキじゃないよ?たった一年って言うかもしれないけど、その一年で私……変われたから」
嘘だ。
芹香の性格は変わっていない。少しくらいは、柔らかくなったのかもしれないけど、怒らせてしまえば変わっていないことが丸分かりになるだろう。