甘々王子に懐かれた!?
「ああ、いいよ。付き合ってやる」
「もしかしたら、結婚することになるかもよ?」
「それでもいい。優茉ちゃんに危害が及ばないならな」
「もちろん約束するわ」
もし、芹香と結婚することになっても……、優茉ちゃんが平穏な日々を送れるならば、後悔はしない。
俺の中心は優茉ちゃん。
いつだって頭の中は優茉ちゃん。
優茉ちゃんで染まった俺は、もう、芹香の彼氏になっても優茉ちゃん一筋だよ。
これは恋なのかな。分からない。
「やったぁ。私、はっくんのことがずっと忘れられなくてね?」
さっきの怖い芹香とは一転、嬉しそうに笑う芹香。
ああ……、やだな。俺は、芹香の彼氏。
優茉ちゃんを好きでいても、芹香の彼氏なのか。
「早く帰ろ」
俺は席に立ち、会計へと足を運ばせた。
芹香は不満そうに口を尖らせたが、大人しくついてきた。
もちろん、お金は芹香が出してくれた。
優茉ちゃんと俺の誕生日。
それにプラスして、俺と芹香の記念日となったんだ――――。