甘々王子に懐かれた!?
大好きで、バカでアホで間抜けヅラの先輩。
私離れが出来て良かったですね。
「お邪魔してすみませんでした」
いつだって頭の中には嬉しそうな先輩。
『優茉ちゃーんっ!』
『お祝いしたいなぁって』
お祝い、してくれるんじゃないんですか。
私、家族のお祝いを放って先輩を探したんですよ?
三時間も。どうしてくれるんですか、先輩。
今更言っても仕方ない。
瀬戸川先輩には謝らなくちゃ。救い出せませんでしたって。むしろ、救うことが先輩にとってダメなことだったのかも。
瀬戸川先輩、強制的に付き合うのはゴメンだって言ってたなぁ。
でも、先輩も頷いていたし。どんな顔で言ってんだろう。
暗くてよく見えなかった。
セリカさんの顔は近くて良く見えたんだけど。
……もー!!
嫌だ、嫌だ、忘れよう。
先輩のことなんか綺麗さっぱり。
「……っ」
そう思っても無理なものは無理で。
なんで私、こんなに先輩にハマっていたの?
引き寄せられるかのように。
頬を伝う涙は、虚しくて、余計泣いてしまった――――……。