甘々王子に懐かれた!?


「だって……」




私が甘ったれている場合じゃないのは分かっているし、私が甘えられる立場じゃないのも重々理解している。


でも、駄々をこねずにはいられない。


怖すぎるんだよ、セリカさん!




「優茉は今まで追いかけられている側だったもんねぇ?そりゃあ、追いかけるのは難しいでしょーね。諦める?」




「い、嫌だ!諦めない!」




いつからこんな馬鹿になったんだ、私は。


どれもこれも、全て先輩のせいだバカ!!


本当に……泣きたいよ。あんなに近かった先輩が、遠くに行ってしまうなんて。


先輩の私に対する謎の愛?は、学校中に広まっていたようで、こんな冷たくなった今、何が起きたのだと騒がれている。


正直、やめてほしい。




「優茉ちゃんにだけ、慎助を動かせるんだ。俺や、ほかの人がやっても効果ない。君だけなんだよ」




瀬戸川先輩に至っては、優しい物言いなのだか、見えない威圧が見える。すごく。


怖い。


先輩に繋がる糸を持っているのが私だということ。


プレッシャー……みたいなのがかかってるのかな。
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