俺の恋路はいつも
「竜二ーーーー」



俺の部屋の窓をドンドン叩く幼なじみ。



「うるせー。いま俺はお前の相手なんか……」



窓から見えた紗奈は涙目で、すぐに窓を開けた。



「どうした!?」


「振られたー」


「そっか……あれじゃん。丈ってほら」


「絵里香でしょ?」



紗奈が好きになった相手には小さい頃からずっと好きな人がいて。
それでも告白したってことは相当好きなんだろうなと思った。
そんなに好きになられた丈が羨ましいとも思った。



「告白したんだから、丈の頭の中はいま紗奈でいっぱいだよ」


「そうかな?」


「ん。告白されたら相手のことめっちゃ考えるもん。嬉しくないわけはないからさ」



俺は4年生ぐらいから告白されることが増えた。
ただ、紗奈以外考えられないし振ってるけど。
でも、やっぱり自分を好きになってもらえるのは嬉しいし。
告白された日は俺だって相手のことを考える。


「そっか!竜二はモテモテだもんね」


「そんなんじゃないよ」


「あたしは丈くんに告白し続ける!」



俺の言葉のせいで、諦めずにずっと丈に告白し続けたのは言うまでもない。

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