【詩】レクイエム(Aさんへの鎮魂歌)
2 時計
  【 時計 】

ご両親が

あなたと対面したとき

あなたが身につけていた時計は

正確に時を刻み続けていたという。


耳をつけるとやっと聞こえる

小さな電子音を立てて。

(まるで心臓の鼓動のように)


そのガラスは

最後に

あなたの瞳を映したのだろう。


そのベルトは

あなたのぬくもりの消えていくのを

感じていたのだろう。


(ご両親のもとで 今も
  
 時計は動き続けているの?)


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