このままでいたいから
今、私は先輩の隣に居る。と思う。

そんな気がしてるだけでも良い。
噓でまみれた汚れた手で先輩に触れられないし、触れたくない。

この気持ちを知ってるのは私だけで良い。
きっと伝えたらこの関係は壊れちゃうし、壊したくない。

時に弾けて、時に腹を割って話す。
お互い溜め込んでた事を吐き出しあえる関係でいたい。

だから、私は……

「おーい、美沙。ゲーセン行くぞ」
「え、ちょっと待ってください」
「久し振りだな」
「はい!…早く先輩に勝てるようになりたいです」
「そもそも年季が違うからな?」
「そんなの知りませんよ~」

だから私は、短い時間でも隣に居られる気がするただの先輩後輩関係でいよう。
初恋は、実らなくても良いから。

Fin
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