身長10cm差の恋は成立するのか。




「あのさ、私は陽介くんの気持ちより千紗はどうしたいのか聞きたいんだけど。

ここで諦めちゃうの?

やっと気づけたのに?」



朋ちゃんは煽るのが上手だ。



自分の想いが抑えられなくなってくる。



朋ちゃん、私諦めたくないよ。



「…私は……諦めたくない……!

中学の時、自分より背が高い女子は無理って言われてからずっと、

自分より背の高い男子を好きになろうって思ってた。

なろうとしてた」


「うん…」


朋ちゃんの優しい相槌が私の次の言葉を促す。


「…思ってたけど、身長は人を好きになることに関係なかった……。

身長の高い低いなんか人を好きになるならないの理由になんてなんなかった…!」





いつの間にか涙が頬をつたっていた。


そっか私、いつの間にか陽介への気持ちがこんなに溢れていたんだ。


< 110 / 123 >

この作品をシェア

pagetop