身長10cm差の恋は成立するのか。





「千紗?

なんでそんな息上がってんだ?」



この声は…。


間違えるはずがない。


陽介の声だ。



息が上がり苦しい中、顔を上げると不審そうな陽介の顔があった。


「行かないで!」


反射的にそう言っていた。



そんな自分が恥づかしくて目線が下がっていく。



「山城ちゃんのところに行かないで……!」



それでももう一度言った。



目頭が熱い。


< 113 / 123 >

この作品をシェア

pagetop