キミが私に恋を教えてくれた
「みくっ…!大丈夫?」
「……………………………………。」
言葉を発することができない。
生まれて初めての告白を受けて、嬉しいよりもビックリの方が大きくて―――。
「ていうかあの降矢君が…!私もびっくりだわ…!いつからみくのこと…。みく?みく?おーい?」
私の顔を覗き込んできた叶絵と目が合った。
うずめていた顔を起こし、降矢君が出て行った本屋の出口を見た。
「…叶絵~、何これワケわかんないよぉ」
やっとこ口を開く私。
すると叶絵が私の両腕を、ガシッ!と掴み、
「みく!みくはどうしたいの?付き合いたい?」
と聞いてきた。
「私は……かっこいいなって思ってたけど…、好きとかそういうのまだちょっと…よくわかんないっていうか…」
曖昧な私。
「まだ?それってまんざらでもないんじゃん。付き合ってみたら?付き合って相手を知っていく内に、どんどん好きになっていくかもよ?ていうか、実際そうだよ?」
叶絵には大学生の彼氏がいる。だから、彼氏持ちの叶絵に言われると、そうなんだ、と、知らない世界に納得してしまう。
付き合ってみようかな…。
というか、付き合ってみたい…。
今までかっこいいな、としか思っていなかった降矢君が、さっきの告白で一気に頭の中が彼のこと一色に染まっていた。
私今ので、彼を好きになってしまったのかな…?