キミが私に恋を教えてくれた
「あはははははっ!」
テレビを視ながら優里葉は爆笑している。
何も知らない妹を他所に、晩ごはんのカレーができた。
「優里葉、悪いけど私電話しなくちゃならないんだ!先によそって食べててもらえる?」
「うん分かった!」
私の手にはすでにポケットから出した携帯が握られていた。
階段を上がり、自室へ入ってドアを閉める。
パタンッ
「ふぅーー…。」
息を吐き携帯を見る。
ついに、この時が来てしまった。
何て言おう…。
「あー、あー、ん~、ふ~、ん~」
「あ、もしもし降矢君!さっきはどうも…。あの返事のことなんだけど…」
「あ、もしもし降矢君?菅原みくです。さっきはどうも…。今、大丈夫かな?…」
妙な発生練習と予行練習を20分程繰り返し、よしっ!と意を決して、彼の番号の発信ボタンに指を置く。
プルルルルッ
プルルルルッ
かかってしまった…。
心臓がドクドクと音を立てているのが聞こえる。
プルルルルッ
プルルルルッ
プルルルルッ
………出ないな。
忙しいのかな?
あまりにも緊張していたため、ちょっぴりどこか安心してしまう自分がいた。
折り返しかけてきてくれるかな?と、電話を切ろうとした瞬間、
画面が通話モードに切り替わった。
ドクンッ!と心臓がまたもや音を立てた。