年下のオトコノコ。
だからといって、直接聞く勇気なんて私にはあるわけもなく。
今日は学園祭の看板作りをやっている。
大地先輩はポスター担当になったので、関わる機会すらも減ってしまった。
ひたすらにペンキを塗りながら、ぐるぐると色んなことを考える。
考えたところで、現状何が変わるわけでもないんだけど。
「あー、ペンキ足りなくなっちゃった。」
誰かがそんなことを言っている。
「あ、私買ってきますよ。」
ここにいても息が詰まるだけだ。
気晴らしも兼ねて、ちょっとだけ外に出たいと思った。
「助かる!黒がなくて…。ついでに他になくなりそうなやつとかある?」
「じゃあ悪いけど、これお願いね。」
頼まれたメモを持って、私は近くのホームセンターへ向かった。