年下のオトコノコ。
「えーっと、黒と…。」
ホームセンターに着けば、ペンキコーナーでペンキを探す。
頼まれたペンキは思ったよりも重く、両手に持ちながら一人で来たことを後悔した。
『好きだよ。』
大地先輩が好き。
そう告げた時の水嶋くんの顔が、どうしても離れない。
学校に戻りながら、考えるのはそればかり。
「重そうじゃん。持つよ。」
急に片手が軽くなったかと思えば、持ってたペンキを半分持って貰っていた。
「なんだ、駿介か。」
「お前、俺の親切になんてこと。」
「あー、ごめん。ありがとう。」
さり気ない優しさに、大地先輩と図書室に向かった日のことを重ねて思い出す。
「はー。」
ダメだ、もうずっとネガティブになっていく。