年下のオトコノコ。
「先輩。」
水嶋くんが、真っ直ぐ私のことを見つめる。
「何、ブスだから見ないで。」
思わず顔を下に向ける。
「可愛いですよ。先輩は世界一可愛い。」
「また、そうやってからかって…。」
「ねぇ、先輩。」
水嶋くんが覗き込んできて続ける。
「好きです、付き合ってください。」
「うん、ごめんなさい…。」
鼻水をすすって、それだけ返せば「嘘じゃん!?」と水嶋くんは肩を落とす。
「先輩、だーいすきです!」
すぐに水嶋くんはいつもの笑顔で私にそう言う。
それが眩しくて、私は水嶋くんを直視なんて出来なかった。