年下のオトコノコ。


翌日。
夏休み初めての登校。




「また早かったか…。」




相変わらず会議室に集まる人は少なく、今日も端っこの席に座る。





「あつー。」





ファイルで顔を扇ぎながらみんなが集まるのを待つ。



「おはよ。早いね。」





大地先輩は、やって来ると何も聞かずに私の隣に座った。




「あ、おはようございます。」




扇ぐ手を止め、挨拶を返す。




「夏休み、何してるの?」




大地先輩が話しかけてくる。




「友達と宿題してるくらいです。8月になったら海とか行きたいねって話てて…。」




「海か〜。いいなあ。なんかさ、俺ずっと部活してたから、何もない夏休みどう過ごしていいか分かんないんだよね。」




受験勉強しろって話なんだけどさ。
そう言って大地先輩は笑っている。




「そう、なんですね。」



何を話していいのか分からなくて、会話が進まない。

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