年下のオトコノコ。
「ごめん。」
私はそれだけ言うと、走ってその場をあとにした。
そこから水嶋くんが追いかけてくることはなかった。
夏休みで、大地先輩と夏恋先輩は付き合ってしまったんだろうか。
これってもう失恋ってことなのかな。
さっきまで、水嶋くんに捕まれていた腕が熱い。
大きな手。
強い力。
ちゃんと、“男の子”だった。
『うん、好きだよ…。』
そう告げたとき、水嶋くんの表情が暗くなったのが分かった。
気付いてたのに何でそんな顔するの?
いつもフラレてるのに、そんな顔したことないじゃん。
「もう、わけわかんない…。」