年下のオトコノコ。
離れる年下くん。
「え、なに、どうしたの?は?喧嘩?」
新学期。
朝から登校すれば、玄関で会った水嶋くんは私と晴香をスルーして、友達のもとへと向かっていく。
いつもだったら絶対に
『先輩!おはようごさいます!あの、好きです。付き合ってください…!』
そう言ってくるだろう。
あの日あったことを晴香には話していなかった。
だからこそ、告白がないことに晴香は驚きを隠せないでいる。
正直、私だってびっくりしている。
大地先輩が好き。
そう伝えただけなのに、こうも変わるものなのか。
「飽きたんじゃない?」
それだけ言うと、私は早足に教室へと向かっていく。