恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
『……なかったよ、何も』
「そ、ですか……」
『落としたの?』
「はい……すみません、せっかく買ってもらったのに。あの、足元とかよく見たいから月曜にもう一度よく探したいんですけど、」
『何もなかったよ。車出る前に、忘れ物がないか全部チェックしたから』
「でも……」
落胆して、それでも諦めきれなくて食い下がろうとした。
もう一度、隅の方まで探せばあるかもしれない、だって確かに、寝てた時に膝の上にあったもの。
だけど再び、きっぱりと言われてしまった。
『なかった。俺に気を遣ってるなら、気にしないでいいよ。おもちゃみたいなものだし』
「すみません。でもそれだけじゃなくて……」
私にとってはすごく大事な思い出の記念で、だから絶対見つけたいのに。
『そんなに気に入ったならまた行けばいいだろ。それほど遠いとこじゃないし』
「えっ?」
『彼氏と行って、買ってもらえば』
優しい声だ、失くしてしまったことを少しも咎めている様子もない、なのに。
ずきん、と酷い痛みが胸を貫いて、声が出なかった。
「そ、ですか……」
『落としたの?』
「はい……すみません、せっかく買ってもらったのに。あの、足元とかよく見たいから月曜にもう一度よく探したいんですけど、」
『何もなかったよ。車出る前に、忘れ物がないか全部チェックしたから』
「でも……」
落胆して、それでも諦めきれなくて食い下がろうとした。
もう一度、隅の方まで探せばあるかもしれない、だって確かに、寝てた時に膝の上にあったもの。
だけど再び、きっぱりと言われてしまった。
『なかった。俺に気を遣ってるなら、気にしないでいいよ。おもちゃみたいなものだし』
「すみません。でもそれだけじゃなくて……」
私にとってはすごく大事な思い出の記念で、だから絶対見つけたいのに。
『そんなに気に入ったならまた行けばいいだろ。それほど遠いとこじゃないし』
「えっ?」
『彼氏と行って、買ってもらえば』
優しい声だ、失くしてしまったことを少しも咎めている様子もない、なのに。
ずきん、と酷い痛みが胸を貫いて、声が出なかった。