恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】


「大丈夫だってば。それより、何か悩んでるの?」

「え?」

「うー、んとね、例えば恋、とか……?」


しどろもどろ、まるで様子を窺うように、思っても無い話題を突然振られた。



「恋……」



なんで、突然?
ちょうどタイムリーに東屋さんのことを考えていたものだから(というか、仕事以外はそれしかないけど)


ぼぼっ!と顔の熱が上がった。


「な、なんで急にっ?」

「あー、いや。無理に聞き出したいわけじゃないよ! だけど一花さんすぐ顔に出るというか、わかりやすいし……その。何か悩みごとかなって、結構みんな心配してるよ」

「そう、なんですか。すみません……仕事中とか上の空だったりしてますか」

「ううん、それは大丈夫だけど。そういうことじゃなくて、ただ……」



西原さんは、何か一生懸命言葉を選んで話しているようだった。


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