恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「……お前、ほんと、馬鹿だろ」
呆れたような笑い声で、馬鹿と言われた。
「ば、馬鹿って」
「だって馬鹿だろ」
「ひど、」
……馬鹿馬鹿って、そんなに連発しなくても。
だけどその割に声が優しくて、恐る恐る目線を上げて。
ぱちりと目が合った瞬間に、彼から落とされた爆弾。
「お前、そんなに俺が好きなの」
全部わかってたみたいな、優しい苦笑い。
私の気持ちなんて、見透かされていた。
そのことで、堰き止められていた気持ちが一斉に、溢れだした。
「……すきです」
「はは」
「す、すきすぎて、どうしようもなく好きで、どうしたらいいかわからないくらいすきです」
「うん」
「だ、だから慰めるのは私じゃないと、やです。他の人とか、やだ。すきです」
ぼたぼたぼた、と涙を零しながら、くしゃくしゃに泣いて訴える私にきっと色気なんて皆無だろうに。
「ちゃんと聞いてるよ」
そう言って、涙と鼻水だらけの顔を抱きしめてくれた。