恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「さすがにこんだけ全力でなつかれたら、可愛くて困る」
初めてじゃない、かな。
東屋さんから、「可愛い」と言ってもらえたのは。
びっくりして、涙が止まった。
脱力して溜め息をつきながら、私を腕の中に納め涙のたまった目尻を舐める。
くすぐったさに目を細める、この空間がとてつもなく幸せ過ぎて、頭がほわほわして何にも考えられない。上に。
「イチゴのチャーム。拾ってある」
「……え?」
諦めかけていた無くしたチャームの行方を、まさかの彼の口から聞いた。
「明日、俺の部屋まで取りに来る?」
ひく、としゃくりあげる。
その言葉の意味をわからないほど子供でもなく、肌で理解できるほど大人じゃなかった。
その意味を、ちゃんと私に諭すように。
彼が再び口付けを落としたのは、唇ではなく首筋の肌だった。