恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
辿る指の擽ったさや、約束をもらえたことの喜びや、その優しくて甘い声に、私は夢見心地に誘われる。
どこ、て、やっぱり。
見せびらかしたいわけじゃないし、私だけが見て幸せに思い出せるとこがいいな、と、そういう意味だったのだけど。
「……見えないとこがいい。服の中、とか」
本日二回目の、「ぴきっ」と固まる表情、いただきました。
あ、違う。
やらしい意味じゃなくて、と焦ったけど、まあいいかと口をつぐんで彼の反応を待つ。
だって。
私としては、意を決して誘惑するつもりで飛び込んできたわけで……告白の答えはいつまでも待つけれど、貴方のものになりたいという気持ちは余計に逸ってしまう。
「……お前さぁ」
硬直が溶けるまで、数秒。
やっと発せられた言葉は、呆れたような声で、だ。
「一体どこでそんな誘惑覚えてくんの?」
「え、どこ、と言われても」
「なんか腹立つ。なんで俺の方がいつも翻弄されるわけ?」
「えええっ?! 私そんなことしてな、」
「ふざけんな。出会ってからこれまで、自分の所業をよーく思い出せ」
なぜだか急に責め立てられているが、依然押し倒されたままの状態なので逃げ場はない。
しかも、まだ続く。