恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
それだけで、息が上がる。
肌で弾む、彼の唇。
肌を食まれて、ちく、と痛み。
そこに赤い、花びらのような痕。
ああ、そうか。
キスマークって、つまり。
内出血、てことで。
あんまり深く考えたことなかったなあ、と頭の片隅で考える。
その間も、いくつもいくつも散らされ、まるで彼が撒き散らす花びらが私の身体に降ってるみたい。
私の甘い声もどこか遠くて他人事のよう。
だけど、まちがいなく私の身に起きていることで。
私はやがて、そんな無駄なことも考えてられなくなって、頭のなかが真っ白になった。