恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
お腹の中が窮屈で痛みよりもただただ熱かった。
見上げると熱を孕んだ瞳を細めて、眉根を寄せる苦しそうな彼。
私の肩を掴む彼の手の強さが、求めてくれる気持ちの強さのようにも感じた。
「……ごめん。止まんねえ、めちゃくちゃしそう」
そう言いながらもまだ、彼は何かを堪えて私に優しくしようとする。
それだけで涙が出るほど嬉しくて、この後どんな風にめちゃくちゃにされるのか私にはわからないけれど。
「東屋さんの、好きにしてください。めちゃくちゃにされたい」
甘えるように首筋に縋り付けば、それが合図。
唇に噛みつかれ苦しいほどにキスと愛を交わす。
初めての痛みと、空気を奪い合うような激しいキスの息苦しさ。
苦しさが先行して、およそ心地よく優しいものなど見つからないのにそれら全部、抱きしめていたかった。
「一花っ……」
名前を呼ばれる度に、求められているのだと感じることができる。
苦しいはずなのに、喉から漏れる声は甘くて、溢れる熱に溺れてしまいそうで腕が宙を掻いてもがく。
その腕も絡めて取られ、仰け反る咽喉に噛みつかれ、零れた涙も彼が全部舐め取って。
「紗世っ……」
ひとかけらも、取りこぼされることなく
わたしは全部、あなたのものになった。