恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「あ、あ、東屋さああんっ!」
急いで服を着てリビングに戻れば、ふんわりと卵の良い香りが漂っている。
キッチンにはフライパンを片手に立っている東屋さんが居て、すごくカッコいい。様になってる。
じゃなくてっ!
「何、お前髪乾かさないと風邪ひくだろ」
「それどころじゃないです、どうするんですかこれっ……」
手で首筋を示して抗議した。
若干泣きそうだ。
だって、明日は仕事なのにどうやって隠せばいいのこれ。
いくらなんでも一日じゃ消えないってことくらいもう知ってる。
東屋さんは、ちょっとバツが悪そうに目を逸らしながらオムレツをお皿に盛りつけている。
お皿の上には既に焼かれたベーコンと、プチトマトとスライス玉ねぎのドレッシング和えが盛られていて、あ、美味しそう。
何、東屋さんはお料理も完璧なのか、と思考が逸れそうになったけどそれどころじゃない。