恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】


「ハイネックとかなら隠れるだろ」

「夏用のでハイネック持ってないですもん」

「じゃあ今日買ってやる。後で買い物行こう」



服くらい自分で買うけど。


だからって。
キスマーク消えるまで毎日ハイネック来てたら変じゃない?


納得しきれてない私の表情に気づいてか、東屋さんがむすっとして憎まれ口を叩く。



「仕方ないだろ」

「仕方ないって、何が、」

「あの状況で煽った紗世が悪い」

「……さ、」

「いいだろ別に。自分の彼女に痕くらい付けたって」



むすっとさらっと、加えて大人げない態度で呟かれたボヤキ。
開き直った! と呆れてしまうも、彼のボヤキは完全に私の言葉を失わせてしまう。



『紗世』
『彼女』



その二つに、見事に胸を射抜かれてしまったから。

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