恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
なんつーか、どう考えても白いビキニなんてエロいイメージしか出てこない水着を、紗世が着るとは思わなくて、その姿が今目の前で露わになってる胸元に重なるわけだ。



「東屋さん?」

「それしかないの? 水着」

「え、そうですね……去年買ったのなんですけど」

「今年は新しいの買えば。俺買うし」

「いえそんな! それにそんな暇ないじゃないですか、すぐ週末ですよ?」


日程だけはさっさと決まって、今週末。
確かに暇はないけど、仕事終わってからでも急げば買い物くらいできるわけだし、と水着を買い替える口実をなんとか探そうと頭が働いていたのだが。



「お気に入りなのに去年一回しか着れてなくて残念だなって思ってたんです。白っていってもちょっと花柄が入っててキャミもついてて可愛くて」

「ああ、キャミついてんの……」


そんな風に言われれば、口実を作る道は絶たれる。
キャミがついてる? それならまあ、少しは露出は抑えられるのか。


っつか、水着にいちいち文句つける男なんて、嫌だろ。
余裕なさ過ぎてかっこ悪いだろ。


そうは思っても水着を理由に痕を付けられないという不条理(?)に納得できず、ずっと肌を見つめて指で撫でていれば、彼女がとてつもなく可愛らしい仕草をする。
< 250 / 310 >

この作品をシェア

pagetop