恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
俺の視線から隠すように両手で胸元を覆うと、恥ずかしそうに頬を赤く染めながら、きゅっと眉をひそめた上目遣いが俺を見た。
「ダメ。です、よ」
念押ししたつもりなのだろうが、彼女が押したのは念ではなくて俺のヤル気スイッチだ。
いきなり彼女の手でスイッチオンされて動き始めた俺の手は、彼女の手首を掴んでベッド脇に縫い付ける。
「あっ!」
咎めるような可愛い悲鳴を聞きながら、白く滑らかな肌に口づけて、吸い付いて、歯を立てた。
「やっ、ダメって、見えるっ」
「ちゃんと隠れるとこだよ」
「ほんとにっ?」
まあ、ギリギリかもしれないけど。
っつか、これが見えるような水着はダメだろ。
「ぎ、ギリギリ過ぎますっ!」
「そう?」
「やー!」
「暴れんなって」
「く、くすぐったいっ……!」
足をばたつかせて身体を捩る。
然したる抵抗にもなってない細い体躯を組み敷いて、じゃれつきながらしっかり痕を残していく。
俺はこんなに独占欲の強いタイプだったろうか。
初めて知る自分の一面がおかしくて、だけど悪い気はしなかった
キスの痕を散らしながら、尖った胸の先の少しそれた辺りに一層強く吸い付けば、彼女の声が甘く濡れる。
「んっ、ん……、あっ」
無意識だろう。
背を反らせて腰を浮かせ、胸をつき出すようにして身体を震わせる。
「……紗世、」
その様子にたまらず両手を解放し、浮いた腰を強く抱き締め彼女の肌に酔いしれていく。