恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】


その場に待たせて大急ぎで着替えをすませて出てくると、彼女は浮き輪を一生懸命膨らませているところだった。



「空気入れ、あそこにあるのに」

「あ。小さいのだからすぐだし、と思って。ごめんなさい東屋さんが入るには小さいかも」

「いや、俺はいいけど」

「ビーチボールもありますよ」



話しながら、俺を見てた彼女の視線がちょっと下に逸れてそれから頬を赤くする。
着るはずだったパーカーを彼女に着せているので、上半身裸のままだ。
そのことに赤くなっているのだろうけど、今更、と苦笑する。


人前でなければ、からかい倒して遊ぶとこだけど、今は諦めることにして。



「残り俺が膨らますから。パラソルに行こう」



膨らみかけの浮き輪と、彼女の手を取った。

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