恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「……大丈夫ですよ、多分。一人の方が」
多分。
こんなになってるのは、東屋さんと一緒にいるからだきっと。
だから余計に、東屋さんの失恋が気になって仕方ないんだ。
ぴく、っと東屋さんの眉尻が動く。
ヤバい、またコメカミぐりぐりされる!
と、両手でコメカミをガードしたのだが、代わりに溜息が落とされた。
「なんでそんなに動揺してんの。一花は無関係だろ」
私の不調の原因にも、当然気付いていたみたいだった。
「わかりませんよ私だって。でもどうにも、もどかしいというか哀しいというか腹立つというか」
「どういう目線で俺を見てんのお前は。恋愛映画でも見てる感覚?」
聞いててこっちが恥ずかしいわ、と吐き捨てるように笑われた。
確かにそうだ、東屋さんから見たら私が干渉するのはおかしい話かもしれないけれど……ちょっと、カチンときた。