恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
戦慄く唇、痺れる手足。
まさしく貪るという表現がぴたりとはまるほど、彼は強く何度も私を求めた。
手でどれだけ制しようとしても、まるで役に立たない。
苦しいほどに奥へ奥へと、彼の熱と私の熱と、境界線がわからなくなるほどに、溶けた。
余りの激しさに頭の中が真っ白になって、私の意識は一度飛んで、少しだけ眠ったけれど。
本当に、少しだけ。
そこからは、目が覚めてはキスをして、愛し合い、また少し微睡んで、を繰り返し、一晩中求められた。
「かずくん……」
「もっと呼んで。紗世」
「かずくん」
ふと思う。
呼ばなかったら朝まで鳴かす、という話だったはずなのに。
結局これでは、どう考えても朝まで路線。
ほら、カーテンの隙間から覗く空がもう、白く……
「紗世、好きだよ」
「……私も。かずくん、すき」
求めたのはきっとお互いさまだから、文句は言えそうにない。