恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「彼氏、長いの?」
「いえまだ、三ヵ月くらいですね」
「ああ、もしかして大学卒業間際に、みたいな」
「そんな感じです。それまでは仲が良いグループの中の一人、ってだけだったんですけど、卒業を機に」
「どんなタイプ?」
どんな、と言われても。
やけに食いついてくるな、とさすがにちょっと、距離を置きたくなる。
「質問がなんか、漠然としてますね」
そそ、と姿勢を糸井さんの方から隣の西原さんの方へ寄らせる。
察した西原さんと柳原さんが、口を挟んでくれた。
「あれでしょ。好みのタイプのリサーチでしょ」
「もう、糸井さん。一花さん彼氏いるって言ってるのに」
「その時好きになった人がタイプです」
リサーチだったのか、と納得して正直にそう言うと、三人揃って私を見て声をそろえて言った。
「「「模範解答」」」
ええっ?
だって、彼氏って毎回全然違うタイプだし。
って、それほどたくさん歴があるわけじゃないけれど。