恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】


「彼氏、長いの?」

「いえまだ、三ヵ月くらいですね」

「ああ、もしかして大学卒業間際に、みたいな」

「そんな感じです。それまでは仲が良いグループの中の一人、ってだけだったんですけど、卒業を機に」

「どんなタイプ?」



どんな、と言われても。
やけに食いついてくるな、とさすがにちょっと、距離を置きたくなる。



「質問がなんか、漠然としてますね」


そそ、と姿勢を糸井さんの方から隣の西原さんの方へ寄らせる。
察した西原さんと柳原さんが、口を挟んでくれた。



「あれでしょ。好みのタイプのリサーチでしょ」

「もう、糸井さん。一花さん彼氏いるって言ってるのに」

「その時好きになった人がタイプです」



リサーチだったのか、と納得して正直にそう言うと、三人揃って私を見て声をそろえて言った。


「「「模範解答」」」



ええっ?
だって、彼氏って毎回全然違うタイプだし。


って、それほどたくさん歴があるわけじゃないけれど。

< 8 / 310 >

この作品をシェア

pagetop